ここでは、文化遺産として後世に残したい生井地区にある文化遺産を紹介します。
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栃木県では最も土地が低い生井地区は、昔から多くの水害に悩まされてきました。そのような土地に暮らす人々の生活の知恵として母屋より高く土盛りした「水塚」や洪水時の一時的な移動手段としての「揚舟」が今も生井地区には残っています。
渡良瀬遊水地に広がるヨシ原で収穫されたヨシは、ヨシズや茅葺き屋根の原料として出荷されていました。中でも生井地区のヨシは堅くて質が良いと評価が高く、今も全国から業者が買い求めに来ています。
生井地区は、明治から戦前まで養蚕業が盛んに行なわわれていました。その養蚕文化を次世代の子供たちへと語り継ぐために「カイコ唄」に踊りを加え、「生井の桑摘み唄」を誕生させ、体験教室を開き、様々な行事で披露されています。
生井地区では、水と共に運ばれてくる上流の肥沃な土壌が川や沼を豊かにして様々な漁が行なわれていました。そのため、川魚を使った生井地区らしい食文化が発展しました。
渡良瀬遊水地開運太鼓
和太鼓の好きなメンバーが集まり、活動を始め、平成19 年(2007年)に地元の名前に因んだ「渡良瀬遊水地開運太鼓」に名前を変えました。小・中学生を対象とした後継者の育成、地元敬老会やお祭りなどで演奏し、迫力のある演技が魅力的です。
「ふゆみずたんぼ」とは、冬の間も田んぼに水を張ることで、生き物が住める環境を作り、その生物活動によって生み出された「トロトロ層」の抑草効果や施肥効果を得る農法です。平成25年度(2013 年度)、9か所全ての田んぼで、農薬や化学肥料に頼らず栽培し、収穫されたお米は、安全・安心な「ラムサールふゆみずたんぼ米」として「道の駅思川」や「よつ葉生協」等で販売されました。
「ふゆみずたんぼ」を活用し、農家の経営所得の安定・向上を図るため、川魚「ホンモロコ」の養殖を実施しています。平成25年度(2013年度)から、「道の駅思川」で「ラムサールホンモロコ」として販売を開始し、「やわらかくておいしい」と好評です。
あんずの里は、下生井小学校の西、旧県道南小林松原線沿い、与良川橋手前の堤防沿いに渡良瀬遊水地まで、1キロにわたって200本のあんずの木が植えられ、平成5年(1993年)3月に完成しました。春には、あんずの花と菜の花が目を楽しませ、あんずの果実で地域の人達はあんず酒やジャムをつくっています。