漁の獲物と魚料理
【フナ(ヒラ)】
ふなの甘露煮
べんけいに刺しておいたふなを串からはずし、水でさっと洗います。水が浸るくらいに入れた鍋に梅干しと一緒に入れて骨が柔らかくなるまで煮たら玉砂糖と醤油を加えて汁気が無くなるまで弱火でゆっくり煮てつくります。
【コイ】
こいこく
こいの頭と鱗をとり、ぶつ切りにします。このとき、肝や胆のうの苦(にが)をつぶさないように取り除きます。切り身は、生臭さをとるために水洗いしておき、玉砂糖と味噌と水を煮立てた鍋に入れます。蓋をして強火で40分、弱火で20分ほど煮ます。煮汁が少なくなったら水を足し、砂糖と味噌で最後に味を整えます。さらに一晩寝かすとさらに美味しくなります。また、ナマズでつくる「なまずこく」もあります。
【ウナギ】
うなぎの煮つけ
うなぎは背開きにしてわたをとり、食べやすい大きさに切って串に刺し、素焼きにします。それを醤油、味醂、玉砂糖を入れて煮立てた中に串を抜きながら身を上向きにして弱火で5〜10分ほど煮ます。あまり煮すぎると身が固くなるので注意が必要です。
【ナマズ】
ナマズは1年中獲れる魚ですが、秋から冬にかけてが一番美味しい魚です。なまず筌(うけ)やかい掘りなどの漁法で獲ります。
なまずの天ぷら
なまずを3枚におろし、うどん粉のやわらかめの衣で菜種油でからりと揚げます。揚げてから食べやすい大きさに切り、大根おろし醤油につけて食べます。普段でもよく食べますが、ハレの日の御馳走として振る舞われます。
なまずのたったきだんご
なまずの天ぷらで使わなかった頭と骨をたたいてすり鉢ですり身にして、うどん粉と麦味噌を混ぜて団子にたものを菜種油で揚げます。家によっては水気を切った豆腐や炭酸、卵をすり身に混ぜたりします。大根おろしで食べるとより一層美味しくなります。
なまずの煮付け
なまずの頭と尾を切り、食べやすい大きさにぶつ切りにしたものを玉砂糖、醤油、水を入れて煮立てた鍋に入れて弱火でゆっくり煮ます。普段からよくつくって食べられていた料理です。
なまずのおつけ
なまずの頭と尾とわたをとり、ぶつ切りにしたものを玉砂糖と味噌でつくったおつけ(味噌汁)を煮立てた鍋に入れて煮ます。小さいなまずは身が崩れやすいので、3歳なまずでつくります。
【ドジョウ】
どじょう汁
水を煮立てた鍋に行きたままのドジョウを入れ、飛び出さないようにすぐ蓋をします。落ち着いたら麦味噌と短冊に切った茄子を入れて一煮立ちさせます。熱いうちに食べると美味しくいただける、夏の定番料理です。
どじょうのけんちん汁
菜種油を少し入れた鍋を熱しておき、そこに生きたままのどじょうを鍋に入れ、急いで蓋をします。落ち着いたら、よくいびってから(炒めてから)醤油と水で味つけをします。この汁は、うどんやそばのしたじ(つけ汁)にも使われます。
どじょうの卵とじ
ささがきにして水につけたごぼうと一緒にドジョウを鍋に入れ、鰹節のだし汁に玉砂糖と醤油を加えて煮ます。最後に水田に放し飼いにしているアヒルの卵や鶏卵を溶きほぐしてから煮えた鍋にかけ入れて蓋をして蒸らします。
【ザコ】
【ライギョ】
【ソウギョ】
【タナゴ】
【エビ(ササエビ)】
えび大根
大根の皮を剥き、輪切りにして鍋に入れ、ササエビ、水、玉砂糖、醤油を加えて大根が柔らかくなるまで弱火でゆっくり煮ます。行事やハレの日にも普段にもよくつくられる料理です。
【カラス貝】
【シジミ】
しじみ汁
秋から冬にかけて与良川で獲れたシジミを一晩水につけて泥を吐かせます。鍋でおつけ(味噌汁)をつくり、水気を切ったシジミを入れてひと煮立ちさせます。しじみ汁は、寒い朝に冷えきった体を芯から温める冬には欠かせない料理のひとつです。
【タニシ】
たにしのすいつぼ
殻つきのタニシをおつけ(味噌汁)の具として使った料理です。殻をたわしでよく洗い、二晩水に浸して泥を吐かせます。水とタニシを入れた鍋をひと煮立ちさせた後、麦味噌を入れます。あさりのおつけと同じくらいに美味しいおつけです。
たにしと切り干し大根の煮つけ
茹でてはらはらわたをとったタニシを水で戻した切り干し大根と一緒に鍋に入れ、水、玉砂糖、醤油を加えてゆっくり煮ます。タニシの風味がきいて美味しい料理です。
たにしのてんぷら
茹でてはらはらわたをとったタニシを衣の中に入れて混ぜ、大さじですくい、菜種油で揚げます。大根おろし醤油につけて食べるたにしの天ぷらは身が柔らかく、季節の野菜と合わせたかき揚げにしても美味しくいただけます。
たにしの酢味噌
春先の柔らかいタニシを使って酢味噌和えにします。茹でてはらはらわたをとったタニシと1寸くらいの長ネギをそれぞれ下ゆでしておき、冷ましておきます。大どんぶりに麦味噌、玉砂糖、酢を合わせた酢味噌にタニシと長ネギを入れて和えます。
たにしの油味噌
茹でてはらはらわたをとったタニシを油を熱した鍋でよくいびり(炒め)、麦味噌、玉砂糖、水を加えて煮ます。味噌で煮たタニシは一層柔らかくなり、美味しさが増します。