ウケ漁
ウナギウケ
ウナギウケは、小山市に限らず、ほぼ栃木県下全域でウナギを獲る道具として使用されてきました。ウナギウケには、必ずベロがついていました。通常はベロは1つだけでしたが、ウナギの場合、ベロが1つだと逃げられる可能性があるため、2つのベロがついていました。また、ウナギウケは他のウケと比べてみて口の大きさに対して胴長であるのも特徴のひとつです。エサはミミズで、奥のベロに内側に入れておき、川の浅瀬や縁などにウケの口を川下に向けておき、いわゆるノボリウナギを獲っていました。ウケを仕掛けた目印として竹竿を立てておき、夕方に仕掛けたものを翌朝に揚げます。
ダルマウケ
ダルマウケは、おもにフナ、コイ、ザコ、ナマズなどを獲る時に用いられます。ベロは、竹を細く削り、入口の上部に固定して下に下げておきます。エサは麦を煮たものでつくったネリエを魚がつつくと破れるくらいのボロ布に包んで入れておきます。
カクウケ
カクウケもダルマウケと同様に使用します。
アミウケ
アミウケは、春先にコイやフナが産卵のために川の縁にある水草(モク)がはえていて魚がやってきそうなところに仕掛けておきます。アミは水面より少し出るように置き、その上に水草を被せておきます。そして、ウケが浮き上がらないように二本の棒で固定しておきます。アミウケの場合、輪が3つのときはベロの数は2つ、輪が4つのときは3つになります。
ドジョウウケ
ドジョウウケは、その名の通りドジョウを捕るためのウケで、田の水口に仕掛けます。
タカッポ
タカッポは、モウソウダケを約2mの長さに切り、中の節を抜いたもので、ベロがついていない最も原始的なウケのひとつです。竹の真ん中に取っ手をつけて、そこを針金で結び、フジツルなど岸にはえているものに縛ったり、竹の真ん中にシュロナワを巻き、そのシュロナワの一端を目印にする竹竿に結んで仕掛けておきます。主にナマズやウナギを獲るときに使用します。